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マンションが寒いときの対策とは?冬の室温18℃問題と断熱改善を解説

冬になると「暖房をつけているのにマンションが寒い」と感じる方は少なくありません。特に築年数の経った中古マンションでは、断熱性能の不足や窓からの熱損失が原因で、室温が思うように上がらないケースが多く見られます。

WHO(世界保健機関)は冬の室温として18℃以上を推奨していますが、日本の住宅では18℃を下回る部屋が多いというデータもあります。寒さは快適性だけでなく、健康面にも影響を及ぼすため、原因を把握したうえで適切な対策を講じることが重要です。

この記事では、マンションが寒い原因を整理し、今日からできる応急対策と、専有部で実施できる断熱リノベーションによる根本改善について解説します。

この記事でわかること

  • マンションが寒くなる3つの主な原因
  • 室温18℃が推奨される理由と健康リスク
  • 窓・床・暖房の応急的な寒さ対策
  • 専有部で可能な断熱リノベーションの方法

マンションが寒い原因とは

マンションが寒いと感じる場合、その原因は大きく3つに分類できます。自宅の状況がどれに該当するかを把握することで、効果的な対策を選びやすくなります。

断熱性能が低く室温が逃げやすい

築年数が古いマンションや、建築時の断熱仕様が十分でない住戸では、暖房で温めた空気が外へ逃げやすい状態になっています。特に1980年代以前に建てられた物件は、現在の省エネ基準と比較すると断熱性能が大きく劣るケースが多いです。

断熱性能が低い住まいでは、暖房を使っても室温が安定しにくく、設定温度を上げても体感温度が追いつかないという状況が生じます。壁や天井の断熱材が薄い、または経年劣化している場合も、熱が外部へ逃げる要因となります。

窓や床からの熱損失が大きい

住宅における熱の出入りは、その約7割が開口部(窓やドア)からとされています。特に窓は、ガラス1枚のシングルサッシや、アルミフレームの窓では断熱性能が低く、冬場は冷気が室内に伝わりやすくなります。

また、床からの冷えも見逃せません。マンションの1階住戸や、下階が駐車場・ピロティになっている住戸では、床下からの冷気が伝わりやすく、足元が冷える原因となります。窓と床は、マンションの寒さ対策において最優先で確認すべきポイントです。

住宅では、冬場の熱損失はおおむね次のような割合になるとされています。

  • 窓・開口部:約50〜70%
  • 外壁:約15〜20%
  • 床:約7〜10%
  • 天井・屋根:約5〜10%

こうして見ると、窓まわりの対策が寒さ改善に大きく関わることがわかります。

気密性や暖房効率の問題で暖まりにくい

断熱性能に加えて、気密性の問題も寒さの原因となります。窓枠やサッシの隙間、換気口からのすき間風は、暖房で温めた空気を逃がし、外の冷気を室内に取り込んでしまいます。

暖房の使い方も影響します。暖かい空気は上に溜まりやすいため、エアコンの風向きが適切でないと足元が冷えたままになります。また、部屋のドアを開けたままにしていると、せっかく暖めた空気が他の部屋に流れてしまい、暖房効率が下がります。

すき間風対策やサーキュレーターの活用など、暖房効率を高める工夫も寒さ対策として有効です。これらの対策については、後のセクションで詳しく解説します。

冬の室温18℃問題とは

「寒い」という感覚は人によって異なりますが、客観的な基準として室温18℃という目安があります。この基準を知っておくことで、対策の必要性を判断しやすくなります。

室温18℃が推奨される理由

WHO(世界保健機関)は、冬季の室内温度として18℃以上を推奨しています。これは健康を維持するための最低ラインとして示された数値であり、特に高齢者や子どもがいる世帯では、さらに高い温度が望ましいとされています。

しかし、2019年の国土交通省の調査 によると、日本の住宅における冬の平均室温は以下のような状況でした。

部屋平均室温
居間(リビング)16.8℃
脱衣所13.0℃
寝室12.8℃

多くの住宅でWHO推奨の18℃を下回っている実態があり、寒さ対策は単なる快適性の問題ではないことがわかります。

18℃未満だと起こるリスク

室温が18℃を下回ると、健康面でさまざまなリスクが生じる可能性があります。低い室温は血圧の上昇と関連し、循環器系への負担が増加します。また、寒い環境での睡眠は睡眠の質を低下させ、疲労回復を妨げる要因となります。

特に注意が必要なのは、住宅内の温度差によるヒートショックです。暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室へ移動したときに、急激な温度変化で血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかります。

ヒートショックに関連する死亡者数は年間約1.9万人と推定されており、交通事故による死亡者数を大きく上回っています。マンションの寒さ対策は、快適性だけでなく健康を守るうえでも重要な取り組みといえます。

マンションで18℃を維持できない原因

マンションで室温18℃を維持できない原因は、先に解説した3つの要因が複合的に作用しています。以下に原因と18℃維持への影響を整理します。

  • 窓からの熱損失が大きい → 暖房しても熱が逃げ続ける
  • 壁や床の断熱性能が不足 → 室温が外気温に引っ張られやすい
  • すき間風や暖房効率の問題 → 設定温度を上げても体感が改善しない

これらの要因が重なると、暖房を使っても18℃を維持できない、または維持するために光熱費が大幅に増加するという状況に陥ります。応急対策で改善できる部分と、根本的な断熱改善が必要な部分を見極めることが大切です。

マンションが寒いときの対策

ここでは、今日からできる応急的な寒さ対策を紹介します。費用をかけずに始められるものから、比較的低コストで効果が期待できるものまで、優先度の高い順に解説します。

窓の断熱対策を行う

窓は熱の出入りが最も大きい部位であるため、寒さ対策の優先度が最も高いポイントです。以下のような対策から始めると、比較的早く効果を実感できます。

対策効果費用目安
厚手カーテンへの交換窓からの冷気侵入を軽減5,000〜20,000円程度
隙間テープの貼付サッシの隙間からのすき間風を防止数百円〜1,000円程度
断熱シート(プチプチ等)の貼付窓ガラスからの熱伝導を抑制数百円〜2,000円程度
断熱フィルムの貼付ガラス面の断熱性向上2,000〜5,000円程度

窓まわりの対策は費用対効果が高く、100均グッズでも一定の効果が期待できるため、まず取り組むべき対策といえます。カーテンは床まで届く長さで、遮熱・断熱機能があるものを選ぶとより効果的です。

床や壁からの冷えを防ぐ

足元の冷えは体感温度を大きく下げるため、床の対策も重要です。以下のようなアイテムを活用することで、床からの冷気を軽減できます。

  • ラグやカーペットを敷く(厚手のものほど効果的)
  • コルクマットやジョイントマットを敷き詰める
  • アルミシートをラグの下に敷いて冷気を反射させる
  • ホットカーペットや電気毛布を併用する

壁際の冷えが気になる場合は、家具の配置を工夫して外壁に直接触れないようにする方法もあります。ただし、これらは応急策であり、躯体側の断熱不足を根本的に解消するものではありません。応急対策で改善が見られない場合は、断熱リノベーションの検討が必要となります。

暖房効率を高める工夫をする

暖房機器の使い方を見直すことで、同じ設定温度でも体感温度を改善できます。以下の工夫を試してみてください。

  • サーキュレーターを併用して空気を循環させる
  • エアコンの風向きを下向きに設定して足元を暖める
  • 部屋のドアを閉めて暖気を逃がさない
  • 換気口にフィルターやカバーを取り付けて冷気の侵入を抑える
  • 間仕切りカーテンで暖房エリアを限定する

暖かい空気は上に溜まりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させることは効果的です。玄関からの冷気が気になる場合は、ドラフトストッパー(玄関ドアの下に取り付けるすき間ふさぎ)も有効です。

暖房効率を高める工夫は、光熱費の削減にもつながるため、断熱改善と併せて取り入れることをおすすめします。

窓まわりの対策や床の冷え対策、暖房効率の改善によって、寒さが和らぐケースは少なくありません。一方で、住戸そのものの断熱性能に課題がある場合は、応急的な対策だけでは改善に限界があることもあります。

特に中古マンションでは、購入後に寒さへ悩むのではなく、購入前の段階から「どこまで断熱改善できるか」「どの程度の費用がかかるか」まで含めて計画することが重要です。

環境装備株式会社のリノベーションサービスでは、物件選びから設計・施工までを一体で進めながら、専有部で可能な断熱改善の方法や予算配分も含めて相談できます。

寒さを一時的にしのぐだけでなく、住まい全体の快適性を見直したい方は、購入前から断熱改善を含めた住まいづくりをぜひご検討ください。

断熱リノベーションで寒さを解決する方法

応急対策では改善しきれない場合、専有部で実施できる断熱リノベーションが根本的な解決策となります。マンションでも管理規約の範囲内で、窓・床・壁の断熱改善は可能です。

内窓設置で窓の断熱性を高める

マンションの専有部で最も取り組みやすい断熱改善が、内窓(二重窓)の設置です。既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付けることで、断熱性能を大幅に向上させることができます。

内窓設置のメリットは以下のとおりです。

  • 窓からの熱損失を大幅に抑制できる
  • 結露の発生を軽減できる
  • 防音効果も期待できる
  • 工事が比較的短期間で完了する(1窓あたり1〜2時間程度)

内窓設置の費用は、窓のサイズや選ぶ製品によって異なりますが、1窓あたり5〜15万円程度が目安です。窓の断熱改修は補助金の対象になることがあるため、最新の住宅省エネ支援制度を確認しながら進めると費用負担を抑えやすくなります。

内窓は専有部側で施工できるケースが多いものの、マンションによって管理規約の扱いは異なります。施工前には、管理規約や申請の要否を確認しておくと安心です。

壁や床の断熱改修で室温を安定させる

窓の対策だけでは寒さが改善しない場合、壁や床の断熱改修を検討します。マンションの専有部では、室内側から断熱材を施工する「内断熱」の方法が一般的です。

壁や床の断熱改修は工事内容や範囲によって費用が大きく変わるため、あらかじめ目安を把握しておくことが重要です。以下に、主な工事内容と費用の目安を整理します。

部位工事内容費用目安(1㎡あたり)
既存の内装を撤去し、断熱材を充填または吹付8,000〜15,000円程度
床材を撤去し、断熱材を敷設してから仕上げ10,000〜20,000円程度

壁や床の断熱改修は、フルリノベーションや間取り変更のタイミングで実施すると効率的です。床や壁を解体する工事と一緒に行うことで、別途工事するよりもコストを抑えられます。

中古マンションを購入してリノベーションを検討している場合は、購入段階から断熱改善を計画に組み込むことで、快適性と省エネ性を両立した住まいを実現できるでしょう。

断熱リノベーションの範囲や方法は、物件の状況や予算によって異なります。寒さの原因を正確に診断し、効果的な改善策を提案できるリノベーション会社に相談することをおすすめします。

よくある質問

Q. マンションの室温は冬に何℃を目安にすればよいですか

A. 冬の室温は18℃以上がひとつの目安です。WHOが健康維持のための最低ラインとして推奨している数値であり、寒いと感じるかどうかだけでなく、18℃を下回っていないかで住環境を確認すると、対策の必要性を判断しやすくなります。高齢者がいる世帯では、さらに高い温度を維持することが望ましいとされています。

Q. マンションの寒さ対策はまず何から始めるべきですか

A. 優先度が高いのは窓まわりの対策です。住宅の熱の出入りの約7割は窓などの開口部からとされており、厚手カーテンへの交換、隙間テープの貼付、断熱シートの活用などから始めると改善を実感しやすくなります。応急対策で効果が不十分な場合は、内窓の設置を検討することをおすすめします。

Q. マンションでも断熱リノベーションはできますか

A. マンションでも専有部の範囲で断熱改善は可能です。代表例は内窓の設置で、比較的取り入れやすい断熱改善のひとつです。ただし、マンションによって管理規約や申請の扱いは異なるため、施工前に確認しておくと安心です。

まとめ

マンションが寒い原因は、断熱性能の不足、窓や床からの熱損失、気密性や暖房効率の問題が重なることで起こります。寒さ対策は快適性だけでなく、健康面でも重要な意味を持ちます。

窓まわりの断熱や床の冷え対策、暖房効率の改善によって一定の効果は期待できますが、住戸そのものの断熱性能に課題がある場合は、応急対策だけでは改善に限界があります。

中古マンションでは、購入後に寒さ対策を考えるのではなく、購入前の段階から断熱改善まで含めて計画することが、快適な住まいづくりのポイントです。

環境装備株式会社のリノベーションサービスでは、物件探しから設計・施工までを一体で進めながら、専有部で可能な断熱改善まで含めて相談できます。寒さの悩みを根本から見直したい方は、ぜひご検討ください。

この記事のまとめ

  • マンションの寒さは断熱不足・窓からの熱損失・暖房効率の問題が主な原因
  • 室温18℃未満は健康リスクにつながるため対策が必要
  • まずは窓まわりの応急対策から始め、効果を確認する
  • 根本改善には内窓設置や壁・床の断熱リノベーションを検討する
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