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収納を増やすリノベーションで後悔しないために|隠す・見せるの黄金比とは

マンションの収納不足に悩み、リノベーションで収納を増やしたいと考える方は少なくありません。しかし、単純に収納スペースを増やすだけでは、使いにくい収納が増えてしまい、結果的に後悔するケースも多く見られます。
収納リノベーションで満足度を高めるためには、収納量だけでなく「使いやすさ」と「見た目の整いやすさ」を両立させる視点が欠かせません。特に、すべてを隠す収納にするのか、一部を見せる収納にするのかというバランスは、暮らしやすさと空間の印象を大きく左右します。
この記事では、マンションの専有部で実現できる収納リノベーションの考え方と具体的な方法を解説します。収納を増やすことだけを目的にせず、生活動線や将来の暮らしまで見据えた収納計画の立て方を整理していきます。
目次
Toggle収納を増やすリノベーションでまず考えるべきこととは

収納リノベーションを検討する際、多くの方が「とにかく収納スペースを増やしたい」と考えます。しかし、収納の満足度を決めるのは容量の大きさではありません。ここでは、収納計画の出発点として押さえておくべき2つの視点を解説します。
収納量より使いやすさを優先する
収納リノベーションで後悔する典型的なパターンは、大容量の収納をつくったものの、奥の物が取り出しにくい、何がどこにあるかわからないという状態に陥ることです。収納は詰め込める量ではなく、出し入れのしやすさと物の定位置化ができるかどうかで評価すべきものです。
以下に、収納量重視と使いやすさ重視の違いを整理します。
▼ 収納の評価軸の違い
| 評価軸 | 収納量重視 | 使いやすさ重視 |
| 設計の基準 | できるだけ多く入れる | 使う頻度に合わせて配置する |
| 奥行きの考え方 | 深いほどよい | 取り出しやすい深さにする |
| 結果 | 死蔵品が増えやすい | 物の把握と管理がしやすい |
| 日々の負担 | 探し物や出し入れに手間がかかりやすい | 片付けのハードルが下がり散らかりにくい |
奥行きが深すぎる収納は、奥の物が見えにくく取り出しにくくなる傾向があります。特に奥行き60cm以上になると、手前と奥で物が重なりやすく、日常使いの収納としては扱いにくくなることがあります。そのため、布団やスーツケース、季節家電など、使用頻度が低く大きい物の収納として使い分ける工夫が必要です。
一方、日常的に使う物を収納する場合は、目安として奥行き30〜45cm程度のほうが使いやすいケースが多くあります。たとえば、奥行き30cm前後は本、文房具、食器、トイレットペーパーなどの日用品、奥行き45cm前後は畳んだ衣類やカバン、キッチン家電などの収納に向いています。
生活動線と収納の位置をセットで考える
収納の位置は、物を使う場所の近くに配置することが基本です。帰宅後の動線上に上着やカバンの置き場がなければ、リビングに脱ぎ捨てられる原因になります。料理中に必要な調理器具がキッチンから離れた場所にあれば、使いにくさからストレスが生じます。
以下に、生活動線と収納配置の関係を整理します。
- 玄関まわり:靴、傘、鍵、上着、宅配物の一時置き
- 洗面まわり:タオル、洗剤ストック、パジャマ、下着
- キッチンまわり:調理器具、食器、食品ストック
- リビングまわり:リモコン、文房具、書類、日用品
- 寝室まわり:衣類、季節物、寝具
収納は「どこに何を置くか」ではなく「どこで何を使うか」から逆算して計画することで、日常の動作がスムーズになります。マンションの限られた面積では、動線と収納の関係を整理することが特に重要です。
収納を増やすリノベーションで重要な隠す収納と見せる収納

収納には「隠す収納」と「見せる収納」の2種類があります。すべてを扉の中に隠せばすっきりしますが、空間が単調になりがちです。一方、すべてを見せる収納にすると、物の管理に手間がかかり、雑然とした印象になりやすくなります。収納リノベーションでは、この2つの役割を理解し、バランスを意識することが重要です。
生活感を抑える隠す収納の役割
隠す収納は、扉や引き出しで物を見えないようにする収納方式です。日用品、掃除用品、洗剤ストック、季節物など、生活感が出やすい物との相性がよく、空間をすっきり見せる効果があります。
以下に、隠す収納が適している物の例を整理します。
- 日用消耗品:トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤類
- 掃除用品:掃除機、モップ、雑巾、スプレー類
- ストック品:食品ストック、日用品の予備
- 季節物:扇風機、暖房器具、季節の衣類
- 書類・雑多な物:請求書、説明書、文房具
生活感が出やすい物を隠す収納にまとめることで、部屋全体の印象が整いやすくなります造作収納で扉を統一したり、壁面収納で一面をフラットに仕上げたりする方法が効果的です。
インテリアになる見せる収納の役割
見せる収納は、オープン棚やニッチ棚などで物をディスプレイするように収納する方式です。本、観葉植物、アート、お気に入りの雑貨など、見せても違和感のない物を配置することで、空間の印象づくりに活用できます。
見せる収納が適している物には、以下のような特徴があります。
- 形や色が揃っている物(本のシリーズ、同じ素材の器など)
- インテリアの一部として機能する物(観葉植物、アート、写真)
- 日常的に手に取る頻度が高い物(よく読む本、お気に入りのカップ)
- 空間にアクセントを加えたい場所に置く物
見せる収納は、物の選び方と配置のバランスによって空間の質が大きく変わります。物を厳選し、余白を残した配置を心がけることで、雑然とした印象を避けられます。
隠すと見せるの黄金比を意識する
収納リノベーションでよく聞かれるのが「隠す収納と見せる収納の割合はどのくらいがよいか」という質問です。結論から言えば、明確な正解の比率は存在しません。ただし、実務的な目安として、基本は隠す収納を中心にし、見せる収納は全体の1〜2割程度に抑えると空間が整いやすくなります。
以下に、収納バランスの考え方を整理します。
▼ 隠すと見せるのバランス目安
| 収納タイプ | 目安の割合 | 配置のポイント |
| 隠す収納 | 8〜9割 | 生活動線上の主要な収納に採用 |
| 見せる収納 | 1〜2割 | リビングや玄関など目に入る場所に限定 |
この割合はあくまで目安であり、住む人のライフスタイルや物の量によって調整が必要です。物の管理が得意な方は見せる収納を多めにしても整いやすく、物が多い方は隠す収納を増やすほうが維持しやすくなります。大切なのは、自分たちの暮らし方に合ったバランスを見つけることです。
マンションで収納を増やすリノベーションの方法
マンションの専有部で収納を増やすには、限られた面積を有効活用する工夫が求められます。ここでは、マンションリノベーションで採用されることの多い代表的な収納方法を3つ紹介します。それぞれの特徴と注意点を理解したうえで、自分たちの暮らしに合った方法を選ぶことが重要です。
壁面収納や造作収納を活用する
壁面収納は、壁一面を収納として活用する方法です。床から天井まで使い切ることで、居室面積を圧迫せずに収納量を確保できます。造作収納は、空間のサイズや形状に合わせてオーダーメイドでつくる収納で、既製品では対応しにくい場所にも設置できる点が特徴です。
以下に、壁面収納と造作収納の特徴を整理します。
▼ 壁面収納と造作収納の比較
| 項目 | 壁面収納 | 造作収納 |
| 設置場所 | リビング、寝室の壁面 | 廊下、洗面、玄関など多様な場所 |
| 収納量 | 大容量を確保しやすい | 空間に合わせて調整可能 |
| デザイン性 | 統一感を出しやすい | 素材や仕上げを自由に選べ |
| 費用目安 | 50万〜150万円程度 | 10万〜80万円程度(規模による) |
壁面収納は扉を統一することで空間がすっきり見え、造作収納は可動棚を採用することで収納物の変化にも対応しやすくなります。マンションでは壁の条件や管理規約によって造作方法に制約が出る場合があるため、事前の確認が必要です。
ウォークインクローゼットを設ける
ウォークインクローゼットは、人が入れる広さを持つ収納スペースです。衣類や季節物を一箇所にまとめて管理でき、物の把握がしやすい点がメリットです。ハンガーパイプと可動棚を組み合わせることで、衣類の量やサイズに応じたレイアウトが可能になります。
ウォークインクローゼットを設ける際のポイントは以下のとおりです。
- 通路幅は最低60cm程度を確保する
- 2畳程度(約3.3㎡)あれば2人分の衣類を収納可能
- 3畳以上(約5㎡)あれば季節物や寝具も収納しやすい
- 換気や湿気対策として、換気扇や除湿機の設置を検討する
ただし、ウォークインクローゼットは通路分の面積も必要になるため、同じ面積でも通常のクローゼットより収納効率が下がる場合がある点に注意が必要です。マンションの面積に余裕がない場合は、壁面クローゼットのほうが効率的なケースもあります。なお、面積を抑えつつ使いやすさを高めたい場合は、生活動線に組み込める形で収納計画を考える方法もあります。
デッドスペースを収納に変える
マンションには、通常は使われていない余白空間が存在します。廊下の壁、梁下のスペース、洗面脱衣室の隙間、玄関の上部など、デッドスペースを収納に変えることで、居室面積を圧迫せずに収納力を高められます。
以下に、デッドスペース活用の代表例を整理します。
▼ デッドスペース活用の例
| 場所 | 活用方法 | 収納に適した物 |
| 廊下の壁 | 薄型の壁面収納やニッチ棚 | 本、小物、飾り物 |
| 梁下 | 梁に合わせた造作収納 | 日用品、書類 |
| 洗面脱衣室 | 洗濯機上部の収納棚 | タオル、洗剤ストック |
| 玄関上部 | 天井近くの収納棚 | 季節物、靴の予備 |
| キッチン | パントリーや吊り戸棚 | 食品ストック、調理器具 |
デッドスペースの活用は、間取り変更と組み合わせることで選択肢が広がります。ただし、マンションでは管理規約や建物条件によって工事内容に制約が出ることがあるため、専有部で実施できる範囲を確認しながら計画を立てることが大切です。
また、マンションには撤去できない壁や、天井に梁が出ている部分があることがあります。こうした凹凸は間取り上の制約になりやすい一方で、梁下に合わせた造作棚や収納を設けることで、空間を無駄なく使いやすく整える工夫にもつなげられます。
よくある質問
Q. 収納を増やすリノベーションでは何を優先すべきですか
A. 収納量だけでなく、出し入れのしやすさと生活動線に合った配置を優先することが重要です。容量を増やしても使いにくい収納では、物が死蔵されやすくなります。
Q. マンションでもウォークインクローゼットはつくれますか
A. 間取りや広さによっては可能ですが、通路分の面積も必要になるため、他の居室面積とのバランス確認が必要です。2畳程度あれば2人分の衣類を収納できます。
Q. マンションの収納リノベーションで注意したい点は何ですか
A. 管理規約の確認に加え、共用部や構造に影響する工事にならないかを事前に確認することが大切です。躯体壁への造作は制限される場合があります。
まとめ
収納を増やすリノベーションで後悔しないためには、収納量だけを追求するのではなく、使いやすさと見た目の整いやすさを両立させる視点が重要です。生活動線に合わせた収納配置、隠す収納と見せる収納のバランス、マンションで実現可能な具体的方法を理解したうえで計画を立てることが、満足度の高い収納づくりにつながります。
マンションの専有部でできる収納リノベーションには、壁面収納、造作収納、ウォークインクローゼット、デッドスペース活用など複数の選択肢があります。それぞれの特徴と注意点を把握し、自分たちの暮らし方に合った方法を選ぶことが大切です。
収納計画は間取り変更や水回り改修とあわせて検討することで、より効果的なプランニングが可能になります。マンションでは管理規約や構造上の制約を確認しながら、専有部の範囲内で実現できる方法を専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
まずは今の住まいで、よく使う物がどこに集まりやすいか、どこで出し入れに手間がかかっているかを整理することから始めると、リノベーションで必要な収納計画が見えやすくなります。
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