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共働き夫婦のための間取り設計|在宅ワークと家事動

共働き夫婦にとって、毎日の家事をいかに効率よくこなせるかは住まいの間取りに大きく左右されます。朝の出勤準備から帰宅後の家事、そして在宅ワークの時間まで、限られた時間の中で快適に過ごすには動線設計やゾーニングの工夫が欠かせません。
特に近年は、夫婦のどちらか、あるいは双方がリモートワークやテレワークを行うケースが増えています。仕事に集中できるワークスペースを確保しながら、生活動線との干渉を避ける間取りが求められるようになりました。共働き夫婦が暮らしやすい間取りを実現するためには、家事動線の短縮や在宅ワークスペースの確保、生活時間の違いへの配慮など、複数の視点から住まいを考えることが重要です。
本記事では、共働き世帯が間取りを考える際に押さえておきたいポイントと、よくある失敗例、そして中古マンション購入とリノベーションで理想の間取りを実現する方法を解説します。
目次
Toggle共働き夫婦の間取りで大切な考え方ない
共働き世帯が快適に暮らすための間取りには、いくつかの基本的な考え方があります。限られた時間を有効に使うために、家事動線の効率化、在宅ワークへの対応、そして生活リズムの違いを吸収できる設計が求められます。
家事動線を短くして家事負担を減らす
共働き世帯では、平日の家事に使える時間が限られています。そのため、キッチン・洗面室・洗濯スペース・収納の位置関係を工夫し、移動距離を短くする家事動線の設計が重要になります。例えば、洗濯機から物干し場、そしてファミリークロークまでを一直線に配置することで、洗う・干す・しまうの一連の作業を効率化できます。
以下に、家事動線を短縮するための間取りのポイントを整理します。
▼ 家事動線短縮のための間取りポイント
| 家事の種類 | 効率化のポイント | 具体的な配置例 |
| 洗濯 | 洗う・干す・しまうを近接配置 | 洗面室→室内干しスペース→ファミリークローク |
| 料理 | 冷蔵庫・シンク・コンロの動線を短縮 | キッチン横収納でストック管理 |
| 掃除 | 掃除道具の収納位置を分散配置 | 各フロアや廊下に収納スペースを確保 |
このように、家事の種類ごとに動線を意識した配置を行うことで、日々の負担を軽減しやすくなります。特に時短家事を実現したい共働き世帯にとって、動線設計は間取りの基本です。
在宅ワークに対応できるスペースを確保する
リモートワークやテレワークが一般化した現在、自宅で働く時間を想定したワークスペースの確保が間取りの重要な要素となっています。ただし、必ずしも独立書斎が必要というわけではありません。リビングの一角にカウンターを設けた半個室ワークスペースや、可動間仕切りで区切れる可変ゾーンでも十分に対応できる場合があります。
在宅ワークスペースを検討する際のポイントは以下の通りです。
- オンライン会議の頻度が高い場合は、生活音が入りにくい配置を優先する
- 夫婦ともに在宅勤務の場合は、2か所のワークスペースを確保することが望ましい
- 作業に集中しやすいよう、窓や照明の位置にも配慮する
- デスクや収納を造作で設けると、限られた空間を有効活用できる
ただし、60〜70㎡程度の住戸では書斎を2部屋設けることが難しい場合もあります。その場合は、1つは個室のワークスペース、もう1つはリビングや寝室の一角に設ける「メイン+サブ」の構成にすることで、限られた面積でも在宅ワークに対応しやすくなります。
在宅ワークの頻度や業務内容によって必要なスペースは異なります。将来的な働き方の変化も見据えて、柔軟に対応できる間取りを検討することが大切です。
生活時間の違いを考慮した間取りにする
共働き夫婦の中には、出勤時間や帰宅時間が大きく異なるケースも少なくありません。早朝に出勤する一方が、まだ就寝中のパートナーを起こしてしまう、あるいは深夜帰宅の際に生活音が気になるといった問題が起こりやすくなります。
こうした生活時間の違いに対応するためには、静と動の分離を意識したゾーニングが有効です。例えば、寝室を住戸の奥側に配置し、玄関やリビングから距離を取ることで、生活音の影響を軽減できます。
▼ 生活時間の違いに対応するゾーニング
| ゾーン | 配置する空間 | 配慮のポイント |
| 動のゾーン | 玄関、LDK、洗面室 | 日中の活動や家事が集中する場所 |
| 静のゾーン | 寝室、書斎、畳コーナー | 睡眠や集中作業に適した場所 |
間取りの段階でこうしたゾーニングを意識しておくと、お互いの生活リズムを尊重しながら快適に過ごせる住まいになります。
また、共働き世帯では将来のライフステージの変化も考慮しておくことが大切です。子どもが生まれた後のベビーカー置き場や、成長に合わせた個室化など、将来的に使い方を変えられる可変性のある間取りを意識しておくと、長く快適に住み続けやすくなります。
共働き世帯に多い間取りの失敗例

共働き世帯が間取りを考える際、事前の検討が不十分だと入居後に不便を感じるケースがあります。ここでは、よくある失敗例とその原因を紹介します。同じ失敗を避けるためにも、事前に把握しておくことが大切です。
洗濯や収納の動線が長くなる
洗濯に関する動線が長いと、毎日の家事負担が大きくなります。例えば、洗濯機がある洗面室と物干しスペースが離れている、あるいは乾いた洗濯物をしまうクローゼットが別のフロアにあるといったケースです。
この問題を防ぐためには、洗う・干す・しまうの動線を短く一体化させることが重要です。家事室やファミリークロークを洗面室の近くに配置すると、効率的な動線を実現できます。
- 洗濯機から物干しスペースまでの距離が5m以上あると負担を感じやすい
- 室内干しを想定する場合は、洗面室や家事室に干すスペースを確保する
- ファミリークロークを設けると、家族全員の衣類を一か所で管理できる
動線の長さは、平面図上で実際の移動距離を確認することで事前に把握できます。間取りを検討する段階で、具体的な家事の流れをシミュレーションしておくと失敗を防ぎやすくなります。
在宅ワークの場所が確保できない
在宅ワークが必要になったにもかかわらず、専用のワークスペースがないと、ダイニングテーブルで仕事をせざるを得ないといった状況が生まれます。食事の時間になるたびに作業を中断し、資料を片付けなければならないのは効率的とは言えません。
仕事場所が固定されていないと、集中力の維持が難しくなるだけでなく、仕事とプライベートの切り替えもしにくくなります。
在宅ワークスペースの確保方法にはいくつかのパターンがあります。住戸の広さや働き方に応じて、次のようなタイプから検討すると自分たちに合った間取りを考えやすくなります。
▼ ワークスペース確保の選択肢
| タイプ | メリット | デメリット |
| 独立書斎 | 集中しやすい、オンライン会議に適する | 専有面積が必要 |
| 半個室ワークスペース | 省スペースで確保可能 | 完全な遮音は難しい |
| リビング一角のカウンター | 家族との距離を保てる | 生活音の影響を受けやすい |
在宅勤務の頻度や業務内容に応じて、適切なタイプを選択することが重要です。将来的にリモートワークが増える可能性も考慮し、可変性のある間取りを検討しておくと安心です。
生活音やオンライン会議の音が干渉する
夫婦ともに在宅ワークをしている場合や、一方が家事をしている時間帯にもう一方がオンライン会議を行う場合、音の干渉が大きなストレス要因となります。キッチンで調理をしている音、掃除機の音、テレビの音などが会議中に入り込むと、業務に支障をきたすこともあります。
この問題を解決するためには、ワークスペースと生活空間を物理的に離す配置が有効です。可動間仕切りを活用して必要なときだけ区切れるようにしておくと、柔軟に対応できます。
音の干渉を防ぐためには、ワークスペースの配置や内装の工夫を組み合わせて対策することが重要です。例えば、次のような方法が考えられます。
- 寝室の一角をワークスペースにすると、リビングの音から距離を取れる
- 可動間仕切りは引き戸タイプが開閉しやすく実用的
- 吸音効果のある内装材を使用すると、音の反響を軽減できる
さらにリノベーションでは、壁の内部に遮音材(グラスウールなど)を入れたり、遮音性能の高いドアを採用したりすることで、生活音やオンライン会議の声の漏れを軽減することも可能です。間取りの配置だけでなく、内装仕様による対策を組み合わせることで、より快適なワーク環境を整えやすくなります。
音の問題は住み始めてから気づくことが多いため、間取り検討の段階でオンライン会議の頻度や時間帯を想定しておくことが大切です。
共働き夫婦の理想の間取りを中古マンション購入とリノベーションで考える

共働き夫婦が理想の間取りを実現する方法として、中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢があります。新築マンションでは間取りの自由度に限界がありますが、リノベーションであれば自分たちの暮らし方に合わせた間取り変更が可能です。
間取り変更しやすい物件を選ぶ
中古マンションで間取り変更を行う場合、すべての物件で同じように工事ができるわけではありません。構造や配管の位置によって、変更しやすさは大きく異なります。
間取り変更のしやすさに影響する要素は以下の通りです。
▼ 間取り変更のしやすさに影響する要素
| 要素 | 変更しやすい条件 | 注意が必要な条件 |
| 構造 | ラーメン構造(柱と梁で支持) | 壁式構造(壁で支持) |
| 配管 | 床下に余裕がある、二重床 | 直床で配管移動が制限される |
| 管理規約 | 専有部の工事に制限が少ない | 床材変更や間取り変更に制限あり |
購入前に専有部でどこまで手を入れられるかを確認することが、リノベーションの成否を分けます。特に水回りの移動を検討している場合は、配管の経路や床下の高さを事前にチェックしておく必要があります。
リノベーションを前提に中古マンションを購入する場合は、物件探しの段階からリノベーション会社に相談し、工事の可否を確認しながら進めると効率的です。
リノベーションで家事動線とワークスペースを両立する
中古マンションのリノベーションでは、既存の間取りにとらわれず、自分たちの暮らし方に合わせた空間を設計できます。共働き夫婦の場合、家事動線の短縮と在宅ワークスペースの確保を同時に実現することが大きなメリットとなります。
リノベーションで実現できる間取りの工夫には、以下のようなものがあります。
- キッチンと洗面室を隣接させ、家事動線を短縮する
- 洗面室の隣にファミリークロークを設け、洗濯動線を一体化する
- リビングの一角に造作デスクを設け、半個室ワークスペースを確保する
- 寝室と書斎を可動間仕切りで区切り、必要に応じて使い分ける
- 玄関近くに小さな家事室を設け、外出準備と家事を効率化する
マンションのフルリノベーション費用は、一般的に1㎡あたり15〜25万円程度が目安とされています。60㎡の住戸であれば900〜1,500万円程度、70㎡であれば1,050〜1,750万円程度がひとつの参考になります。
ただし、設備のグレードや断熱改修の有無、内装仕様によって費用は大きく変動します。近年は資材価格や人件費の上昇もあるため、標準的な仕様で15万円前後、こだわりのあるリノベーションでは20万円以上になるケースも珍しくありません。
中古マンション購入とリノベーションを合わせて検討することで、物件価格と工事費用のバランスを取りながら、理想の間取りを実現できます。新築では手が届かない立地や広さの物件も、中古+リノベーションなら選択肢に入ることがあります。
よくある質問
Q. 共働き夫婦の間取りでまず重視したいことは何ですか
A. 家事動線を短くすることと、在宅ワークに使える場所を確保することです。毎日の家事負担を軽減し、仕事に集中できる環境を整えることで、限られた時間を有効に使えるようになります。
Q. 在宅ワーク用の部屋は必ず必要ですか
A. 必ずしも独立した個室は必要ではありません。リビングの一角にカウンターを設けたり、可動間仕切りで区切れる半個室ワークスペースを設けたりすることで対応できる場合があります。業務内容やオンライン会議の頻度に応じて検討してください。
Q. 中古マンションでも間取りは変えられますか
A. 物件の構造や配管の条件によって異なりますが、専有部のリノベーションで間取り変更できる場合があります。ラーメン構造で二重床の物件は比較的自由度が高い傾向にあります。購入前にリノベーション会社と一緒に確認することが重要です。
まとめ
共働き夫婦が快適に暮らすためには、家事動線の効率化、在宅ワークスペースの確保、生活時間の違いへの配慮という3つの視点から間取りを検討することが大切です。これらを意識せずに間取りを決めてしまうと、毎日の家事が負担になったり、仕事に集中できなかったり、お互いの生活リズムがストレスの原因になったりする可能性があります。
中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢を取れば、既存の間取りにとらわれず、自分たちの暮らし方に合った空間を設計できます。物件探しの段階から構造や配管の条件を確認し、間取り変更の可否を把握しておくことが成功のポイントです。
共働き世帯にとって、住まいは毎日の生活の基盤となる場所です。時間を有効に使い、夫婦それぞれが快適に過ごせる間取りを実現するために、事前の情報収集と専門家への相談を積極的に行ってください。
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