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断熱リノベをする場合、全体予算はどう考える?物件・工事費用のバランス整理

中古マンションを購入してリノベーションを考える際、

「断熱工事もセットでやりたい」というご相談も最近増えてきました。

フルリノベ-ション規模になる場合は。

床や壁、天井、設備などを全て解体してスケルトンの状態にしてから

一から間取りを作り上げていきます。

スケルトンの状態

断熱工事を行う場合、

天井裏や床下、壁の内側等に断熱材を新規施工することになる為、

フルリノベーションをするなら、断熱工事までセットで行った方が、

効率がよくなります。

一方で、実際に相談を受けていると、

「結局、全体でいくら見ておけばいいのか分からない」

「物件価格と工事費のバランスが整理できていない」

という状態のまま、物件探しが進んでしまっているケースも多く見られます。

断熱+リノベーションは、工事費用のイメージが付きづらく、

全体予算の中で、物件価格・工事費(リノベ、断熱)・諸費用などをどのようなバランスにするかのハードルが高いのです。

今回は、断熱+リノベーションを前提とした場合の、

全体予算の考え方と、その整理の順番について解説していきます。

資金計画を固めきる前の「物件を決める前の予算の振り分けイメージ」として読んでいただければと思います。

断熱リノベの予算は「工事費」だけで考えない

最初にお伝えしておきたいのは、

断熱リノベーションの予算は、工事費だけを切り出して考えるものではないという点です。

よくあるのは、

「物件価格が決まって、残った予算の中でリノベを考える」

という流れです。

この進め方自体が間違いというわけではありませんが、

この場合、断熱はどうしても

「余裕があればやるもの」

「後から削りやすい項目」

になりやすい傾向があります。

結果として、

リノベーション費用は何とか収まり、内装も理想に近い形になったものの、

実際に住み始めてみると冬の寒さが気になるなんてことも。

デザインには満足している一方で、

暮らしの中で機能面への不満が出てきて、

「断熱も最初にやっておけばよかった」となると非常に惜しい結果になります。

断熱リノベを検討するのであれば、

最初から「全体予算の中でのバランスを決めておくこと」が重要です。

1. まず、借入できる金額と返せる金額から全体予算を把握する

資金計画の最初のステップは、

「いくら借りられるか」と「いくら返せるか」を分けて考えることです。

住宅ローンの審査上、借入可能額が出ることと、

実際に無理なく返せる金額は、必ずしも一致しません。

というのもこんな理由が。

住宅ローンの審査では意外とたくさん借りられます。

銀行にもよりますが、年収の7~9倍くらい借りることも可能です。

ですが、借りられる金額をそのまま月々返済に直すと予定よりも、

毎月の支払い額が高くなるケースが多いのです。

よって、ここでしっかり考えないといけないのはこの2つ。

  • 毎月の返済額として許容できる金額
  • 将来のライフイベントを考慮した余裕

これを踏まえたうえで、

「このくらいまでなら無理がない」という上限を把握することが目的です。

自己資金がある場合は、この時点で加え、

購入とリノベに使える全体総額の目安を出します。

この段階で、細かい数字を詰める必要はありません。

資金計画を完成させるというより、「それぞれに使える予算の枠」を認識するイメージです。

2. フルリノベーションでやりたいことを整理し、工事費の全体像を出す

次に行うのが、断熱を含めない状態でのリノベーション全体像の整理です。

ここでは、フルリノベーションを前提とした予算確保を前提に、

  • 間取り変更
  • 水回りの更新
  • 内装、仕様の刷新

など、リノベーションでやりたいことを一度すべて出します。

ポイントは最初から削らないことです。

この段階で出す金額は、

「実現したい状態」を基準にした、仮の総額です。

たとえば、フルリノベーションで1,500万〜1,700万円といった形で、

幅を持たせて考えて問題ありません。

後から調整する前提で、まずは全体像を把握し「リノベ予算の枠」を把握することが重要です。

3. 断熱費用は体感の悩みから考え、アッパーを把握する

断熱費用は、人によって必要な内容が大きく異なります。

重要なのは、「性能数値」や「ここまでやれば補助金が使える」などの軸から入るのではなく、

暮らしの中で困っていること・避けたいことから考えることです。

たとえば、

  • 冬に床が冷えるのがつらい
  • 朝の室温が低いのが苦痛
  • 在宅時間が長く、光熱費が上がってきた

こうした体感の悩みを洗い出すと、

床、窓、壁、天井など、どこの箇所に手を入れるべきかという優先順位が見えてきます。

この段階では、

「どこまでやるか」を確定させる必要はありません。

むしろ、断熱工事を複数箇所含めた場合の上限費用(アッパー)を一度見ておく

ことが重要です。

アッパーを把握しておくことで、後から削る判断はしやすくなりますが、

最初に低く見積もってしまうと、必要な断熱を追加しづらくなってしまいます。

考え方はフルリノベーション費用を確保する大枠のイメージと同じです。

4. リノベ工事と断熱工事の費用を踏まえたうえで、物件価格と諸費用を整理する

リノベーション費用、断熱費用の目安が見えてきたら、

初めて物件価格と購入に関わる諸費用を整理します。

ここで考える諸費用には、

  • 仲介手数料
  • 銀行保証料
  • 登記費用
  • 火災保険料

などが含まれます。

これらは金額が大きくなりがちで削りにくい費用です。

実務上の目安として物件価格の9%ほどと想定しておくとよいでしょう。

仮に、物件価格を優先しすぎると、最終的に調整されるのは、

リノベ費用や断熱費用になりがちです。

これら2種類の工事費用を確保したうえで、

物件価格を考えるという順番が重要になります。

5. 断熱を最大限やっても成立する物件価格で探す

物件探しの段階では、

「断熱を最大限やった場合でも、全体予算に収まる価格帯」

を基準に考えるのが一つの方法です。

ただ実際には、すべての物件でフル断熱が必要になるとは限りませんので

結果的に、

  • 断熱費用が抑えられて内装や住宅設備にお金を掛けられた
  • 総額が下がり想定より毎月の支払いにも余裕が出た

というケースもあります。

予算の内訳

物件価格を上げたくなるときの注意点

物件を探していると、

価格帯を少し上げることで、

立地や条件の選択肢が広がる場面があります。

物件価格を上げる判断は悪いわけではありません。

ただし注意したいのは、リノベーションや断熱に回す予算を圧迫していないかという点です。

物件価格を上げる場合は、

何の工事を削る予定なのかを自覚したうえで判断することが大切です。

場合によっては、「総予算そのものを上げる」という選択をされる方もいます。

たとえば、収入合算を行ったり、返済年数を延ばして借入額を増やすケースです。

ただし、収入合算はご夫婦のダブルインカムを前提とした資金計画になりますし、

返済年数を延ばす(35年から40年へなど)場合は、

月々の負担は抑えられても、トータルの利息負担は増えることになります。

そのため、「総予算を上げる」という選択は、

慎重に検討すべきものといえます。

無理に予算を引き上げるのではなく、

あらかじめ確保しておきたいリノベーションや断熱の内容を踏まえたうえで、

物件価格とのバランスを見直す。

その方が、住み始めてからの納得感は高くなるケースが多い印象です。

中古マンション外観

予算整理は難しくて当たり前

ここまで見てきたように、

断熱リノベーションを前提とした予算整理は、

考える項目が多く、順番も重要になります。

そのため、

すべてを一人で判断しようとすると、

「この配分で本当に問題ないのか」

「どこか見落としていないか」

と不安になるでしょう。

  • 今の収入や将来を踏まえた予算感が現実的か
  • 断熱にどこまで費用をかけるべきか
  • 物件価格とのバランスが崩れていないか

こうした点を、第三者と一緒に整理・確認するだけでも、

判断の精度は大きく変わります。

設計や工事の詳細を詰める前に、

「買う前の段階で、全体の予算バランスを整理しておくこと」が

結果的に、後悔の少ない住まいづくりにつながります。

断熱リノベの予算は「順番」で決まる

断熱リノベーションを前提とした住まいづくりでは、

金額そのものよりも、考える順番が重要になります。

つまり以下のようなイメージ。

物件価格を先に決めてしまうのではなく、

工事費や断熱費用を含めた全体予算のバランスを整理したうえで、

物件価格を検討していく。

物件に充てられる目安が分かれば、

エリア、広さ、駅徒歩、築年数などを考慮しながら、

どのあたりであれば物件候補がでてきそうかを考えていく。

この順番を意識するだけで、

「あとから削らなければならない断熱」や、

「住み始めてからの後悔」を減らすことができます。

断熱リノベーションは、工事単体の話ではなく住まい全体の計画の一部です。

だからこそ、買う前の段階で、全体像を整理しておくことが、納得感のある選択につながります。

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